I want a range life...

基本的には現代作家の純文学しか読んでない話

純文学、というか、こういう小説は基本的に「人間」にフォーカスしているので、やっぱりそれが一番面白いと思う(だから「おもしろい」基準なんですよ、僕としては)。作家によって人間のどの面を切り取るかも違う(モチーフが違う)ので、合っている作家、観点が参考になる作家など色々ある。 個人的にいわゆる文豪の小説はあまり読んでいないのもその関係で、やはり今を生きている人でないと人間世界の切り口に共感しづらいところがあるので。 ここを見かけた方も、ぜひ、現代の日本の作家の純文学読んでください。 僕が誰が好きかって話はそのうちに。

(ソフトウェア)エンジニア、2タイプのスライダーではなく、3タイプあるのでは→いやもっとか?

よくあるエンジニアさんの指向性で、「プロダクト指向」と「技術指向」という対立軸が言われる印象がある。あるいは「技術は目的」とか手段とか。 ちゃんと考えるとこういう簡単なスライダーでもなくね?と思えてきたのでメモしておく。 具体的には「技術指向」、というかプロダクトを出して仕事の課題を解決することより別のことに熱量がある人という感じだけど、これが2種類あるように思えていて。 一つはそもそも「モノづくりが好き」というタイプで、具体的にはOSSをたくさん書いて出すとか、ちょっとしたwebサービスを自作して公開するのが好きとか、技術検証が好きとかそういう感じの人たちがいる。 この「モノづくりが好き」というタイプはそもそも実は広義のプロダクト寄りという気もしていて、顧客が世の中の人なのか自分なのか、という軸な気もしている。 で一方で、「技術のおたく」というか、技術を調べて身につけること、学ぶこと、知ること自体が好きというタイプもあると思う。Linuxカーネルとかネットワークとかすごい詳しい感じ? かつ、実践より理論を重視というか、手を動かした数倍〜数十倍は知識を得ている傾向がありそう。 いわゆるラーニングアニマルというのもこのタイプかなあ。

あと、satさんの表現の「問題解決より深掘りを優先する人」というのはこの文章の「技術のおたく」が一番近いようにも思う。で、問題解決/深掘りという軸を導入した場合、実はその軸だけで説明できる気もしてきたお...。

いずれにせよ思うのは、「プロダクト指向」と「技術指向」という対立軸は取扱注意な感じはある。 上で色々演繹してみたけど、「プロダクト指向」と「技術指向」という軸があると考えるより、お仕事上である課題があって、それにどれくらい熱量があるか、あるいはどういう経路でその課題にアプローチするか、ぐらいの違いでしかないのではと思えてきた、。

なお僕は、プロダクトや顧客にも向き合いつつ手も動かしつつ問題解決しつつ技術的深掘りも全部やりましょうと思うけど、まあ傾向や好みがあるのはそうなので...。

What does "Range Life" mean

ボルグのタイトル、 wannaではなくwant a... が正しそうなのでひっそりと直した。 ところでこれはThe Pavementの至高の名曲のタイトル、 "Range Life" からきているわけだけど、そもそも意味不明な英熟語でもある。

これはそもそも普通に英会話で使われるような言葉ではなく、フランス語 "une vie rangée" の英訳らしい。

この "une vie rangée" のニュアンスが、フランス語に弱いので全然わからないのだが解釈すると、 まず vie は英語で言うlife、スペイン語で言えばvidaで生命や生活のことである。ここはそんなに疑問はない。 rangée と言うのは ranger の過去分詞形で良いらしい。 ranger は英語では to order とか to aggange と言う感じ。 で、こう言う訳され方もあるとされている。

したがって、une vie rangéeとは、なんか整っていて小さいながらもきちんとした生活... とかそういうニュアンスになるようだ。 ワンチャン、 une vie rangée ~= Range Life を「丁寧な暮らし」と言うふうに解釈しても大きく外れないのかも。

とはいえ、例えばこう言う生活がune vie rangéeと表現されるんですと言われると、なんかね、雰囲気や気だるいニュアンスはわかるけど、こう言う表現は日本語に直せないな...となる。これはnoteで適当に検索して見つけた。他意も何もない。

結論、多分本気でフランスの文化生活に精通していないと理解できない概念っぽいので(なんかこう、フランスは特に、フランス人にしかわからない精神性ってのが結構あるじゃないすか)、一旦追いかけるのはここまで。

職人と芸術家の間

あとで書く

読んだ: ソシュールのすべて

リンクのローファイメモと同じ内容だが、読書メモを便利のためのせておく。

中学生の頃ソシュールと出会って大変に感銘を受け、人生の方向性の一部が歪んだのだが、25年程度経った今ソシュールの知識が果たしてどの程度正確なのか自信がなくなってきたため改めて入門した。

1章はラングとパロールの話。 2章で恣意性、線状性の話。今プログラマとなっている時に読むと、言語記号の恣意性というのはとんでもない性質で、おかげ私たちは、電気信号だけで意味を伝えることができたりしている、と言う気づきがある。 3章で通時性と共時性。 4章では、ソシュールの議論を参考に意味について考えてる。意味は集合であると言うソシュールの指摘にも言及している。 5章では範列関係について、例えばある単語の意味を決定するには、他の単語の意味との違いを確認する手続きが必要になるといった話がされている。連辞・連辞関係についても解説されている。範列は体系であり、連辞は構造であると言う大局観。 6章は言語学の課題、特になぜ言語は(ラングは)変化するのかの議論考察をしている。そこで可易性、不易性についても紹介される。

やはり良い本だった。言語学は[言語学入門: これから始める人のための入門書](町田先生はこれにも関わっている)と、あと[ふだん使いの言語学]が知っている限り良い入門書だと思う。ラジオは聞かなくてよし。

ソシュールの指摘であり町田先生の主張でもある「検証されていない普遍性を勝手に当てはめて、合理性のない仮定を立ててはいけない」は、他の分野でも刺さる。

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